決壊
メトロノームの鼓動に押し出されるように
無限音階の鍵盤を踏んで
即興重奏の洪水を泳いでいた
逆さになって覗き込んだ鏡
光が打たれたその瞬間
腕時計は歩みを止めた
私が私を見つめていた
過去から未来へ
満たしていく微笑みで
天に光の亀裂が走った
愛の決壊ハザード
物質たちは溶け壁は消滅した
薫り高い混沌が再構成してゆく
真実の神よ姿を現し給え
私たちを生み落としたあなたよ
今世界に息吹を吹きかけて
壊れ飛び散った心を拾い集めよう
青い純度の宝物に目を凝らすように
もう少し旅を続けてみようか
アスファルトの迷宮に血を流しても
操り主の心を覗くパペットの瞳の中に
こころの聖火を灯す人が
ダイアモンド宇宙の反射を呼び込んだ