天使の祈り

この世界が愛と平和で満ちますように

翼と私

 ※音楽と文章は一切関係ありません。

 

私の左の翼がこう言いました

 

人に優しくしたくて

ついうっかり自分を守るのを忘れていた

人を信じたくて

すっかり騙されてしまったけど

 

でもいいさ

みんなの心に愛があるなら

この世界に国境なんかなければいいのにな

それが僕の夢なんだ

 

すると右の翼が言いました

 

私は私のままでいたいのです

国境がなくなったら私の大切な宝物も壊れてしまう

 

どうかどうか私の大切なものを奪わないでください

私はこのまま自由でいたい

誰にも邪魔されずに夢を見て生きたいのです

今のまま人々が楽しく集うのを見るのが好きなんです

 

私は困ってしまいました

どちらが優しいのか

どちらが愛なのか

 

その時、偉大な大統領が言いました

「私にすべて任せておけば間違いないのです

他の人の言うことを聞いてはいけません

悪い人の言うことを聞く者はみんな地獄に落ちるでしょう」

 

すると空からある男の声が聞こえて来ました

「私の王国に来れば、どんな国の人も幸せになることができます

片方の翼だけでも、地上にいても願いは叶わないのです

ただし、自分にできる努力をしない者は見捨てられるでしょう」

 

私は思いました

地獄に落ちるのは嫌だと

そして、やっぱり幸せになりたいと思ったのです

努力すれば幸せになれる、そんな世界が正しいと思ったのです

 

空を飛ぼうとしました

だけど、偉大な大統領を怒らせてしまいました

私が言うことを聞かないので、

部下を使って色々な意地悪をしてきます

いつ許して貰えるのでしょう

 

青い空は守れるのでしょうか

もう私の翼はボロボロです

右の翼と左の翼は喧嘩まではじめてしまいました

 

私は戦いの空に投げ出され

どうしたら逃れられるのか

どうしたら自由になれるのか

わからなくなってしまいました

 

そして長い間、苦しみ抜いて気づいたのです

どんな時も自分の信念を持って

心の中の愛を、輝きを失わず歩み続けることだと

 

やっぱり自分を守るとはそういうことなのです

自分を守ることを忘れてはいけなかったのです

そうでないとどんな国境も越えられはしないのです

 

そうしてはじめて鏡の中の自分を見ました

自分の世界を変えられるのは

大統領でも、政治でもない

そこにいる「自分」しかいないのでした

何故今まで気づかなかったのでしょうか

 

私たち一人一人が世界を動かしているならば

すべては可能なのです

こころ輝く世界をそれぞれに目指して

自分から立ち上がることなのです